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雷鳥の森

マーリオ・リゴーニ ステルン

堀江敏幸氏が最近推薦していた本です。
これは著者の第2作目にあたるものだそうです。
物語の舞台になっているのは雷鳥の森に囲まれたアジャーゴと呼ばれるイタリアの小都市。
タイトルになっている雷鳥はキバシオオライチョウのことだそうで、日本で見かける雷鳥とはまったく異なるもので大型の鳥とのこと。

作者がフランス戦線やロシアの前線、アウシュビッツを生き延びて、アジャーゴの森に帰ってきたことがこの短編の下地となって息づいているように感じる。
骨太でありながら凛とした味わいはその経験から醸し出されるものなのだろう。
豊かな自然の中での狩猟を描きながらも、背後には常に戦争の足音が聞こえる。
戦争を繰り返す人間と自然の中に生かされる人間の対比を見せられているような感じも。
森に住み、農耕で生活をする孤高の作家が描く崇高な自然とそこに暮らす人間たち。
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2004.09.12 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |