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馬渕 直城

ポル・ポト派の云々というよりも、アメリカとベトナムの悪意に満ちた情報捏造と殺戮行為そのものに言い知れぬ嫌悪感を感じる。著者の見た範囲でポル・ポトによる虐殺がまったくなかったことを断じることはむずかしいけど、事実を曲げて世界に伝えられたほうが圧倒的に多かったのではないかという印象はぬぐえない。

1973年3月アメリカをカンボジアに侵攻させたアメリカ傀儡政権のロン・ノル将軍によるクーデターはCIAにより画策されたもので、それを引き金に平和な国カンボジアが30年の戦争に巻き込まれる。これは泥沼化したベトナム戦争に対し協力的ではないシハヌークを追い出すことが目的だった。生きていくために戦場の夫に行動を共にする家族が多かったという話(写真)は胸に迫るものがある。
アメリカ侵攻に対し、ハノイ(北ベトナム)で訓練されたクメール・ベトミンと武器の使い方すら知らなかったクメール・ルージュとシハヌークが呼集した左派が参加したベトナム・カンボジア合同軍が生まれる。アメリカの200日による全土空爆をしのぎ、1975年4月にプノンペンは開放される。1976年1月には解放軍革命組織(オンカー・バディワット)が北京でシハヌークを代表として樹立されていた亡命統一戦線政府を解散し、4月には国名を民主カンプチアに改め知る人のなかったポル・ポトを首相に再スタートすることになる。
パリ和平会議を拒否したカンボジアにはアメリカとベトナムの執拗な爆撃が続くことに。空爆の集中する都市部からの農村への退避が多くの病死者を出したこともあったらしい。1976年の悪名高い大下放のあともプノンペンには10万人近い市民が暮らし、工場も稼動していたという。強制的に農村部に移されたという話も単なる風説だったというのが真実だという。貧農革命は空爆により破壊された農村部の回復を目的としたものだったようだ。ただ、ベトナムやアメリカ寄りの勢力の残っていたため何らかの粛清があったのも事実かもしれない。
1979年1月には電撃作戦によりプノンペンが再びベトナムの手に落ちることになる。その後ベトナムの傀儡であるヘン・サムリン政権とハノイによる200~300万人(人口に4分の一)にもおよぶポル・ポトによる大量虐殺ニュースが配信されることになる。悪漢ポル・ポトと正義のベトナムという構造はこうしてつくられ世界世論を動かした。
疲弊したカンボジアの建て直しを願ったポル・ポトの思いはいかほどだっただろうか。自己に都合のいい戦闘を行なうためには手段を選ばないアメリカやベトナムの姿勢にはただただあきれるばかり。とても許されるべきものではない。

『キリングフィールド』の作者(ニューヨークタイムズ記者シドニー・シャンバーグ)のフィクションだから事実に反しても問題ないという姿勢とそれを創作する権利もない戦場でのアジア人蔑視や友人を捨てるような行動を知るにつけ、この映画がみせたカンボジア人蔑視の映像に踊らされていた自分自身の判断さえ情けなくなってしまう。
アンジェリーナ・ジョリーの『すべては愛のために』ためになどでも。ポル・ポト派は同じような扱いだったように記憶している。
それにしても、当時の南北ベトナムとアメリカ、カンボジア、タイなどの関係は非常にわかりにくい。この本で解消されるかと期待したけれど、やはりわかりにくい。事実の裏で暗躍するベトナムの動きがすべてをわかりにくくしているように思う。
現在もアンコールワットの観光収入の大半はベトナムに流れているという。

[本▼▼▼▼▽特盛]
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2006.10.28 | 本  | トラックバック(0) | コメント(2) |

他の国の陰謀だと騒ぐのも結構ですが、ポル・ポト派が自国民に対して壮絶な虐殺を行い、国を根本からズタズタにするほどの悪政を敷いたのは客観的に見ても間違いのない事実です。
これは無論「与えられた情報をただ鵜呑みにした」わけではなく、私が私なりに様々な立場から記された資料を見て判断したことです。

多くの当事者の証言や研究者の研究結果を「アメリカとベトナムの情報操作」の一言で切り捨て、ポル・ポト派とべったりだったカメラマンの書いた本のみを取り上げてポル・ポト派を賛美するのはとても理性的で理論的な思考とは言えません。
私としては「アメリカとベトナムの情報操作」やそれを盲信する人々よりも、あなたの方が愚かで恐ろしい存在に思えます。

2010.02.07 20:55 URL | IKNS #- [ 編集 ]

ポルポトの犯罪真実については、考えるところも多いと思います。ポルポトの犯したことの多くも事実かと思います。
ただ、常に両方からの視点は持っていたいと願います。
今読み返してみると文脈からは見えにくいと思いますが、ポルポトばかりを賛美するつもりはまったくありませんのでご理解ください。
IKNSのご意見も貴重だと思います。

2010.05.05 04:58 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]












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